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古いお話、怖いお話、伝説の絵本

絵本「道成寺」 「雨月物語」より 絵物語 蛇性の婬

絵本と言っても子供向けとは限らないでしょう。

​絵の多い誰にでもわかりやすい本として、お能や歌舞伎、古文などから題材を取って、自分なりの絵本に仕上げた物です。

少しずつ増やして行きたいと思っています。

絵本「道成寺」について

 「道成寺」物語の解説
お能や歌舞伎の「道成寺」を知っていらっしゃる方は多いでしょう。
道成寺の僧たちが、昔焼かれた鐘を再興し、鐘供養をしているところへ美しい女(白拍子)が現れ、
鐘を供養させてほしいと言う。踊りを踊りながら鐘に近づき、ついに鬼の本性を現すというお話。
これは、実はある話の後日譚なのです。

よく知られているのは安珍清姫の伝説で、蛇に変身して僧を焼き殺した清姫の亡霊が
四百年後の道成寺に現れて、上のような展開になるのです。
この安珍清姫伝説よりさらに古い物語の原型が「今昔物語集」の中にあります。
紀伊國の道成寺の僧、法華を写して蛇を救ひたる語 第三「牟呂群(むろのこおり)の悪女」という題名です。
この絵本「道成寺」は今昔物語のものを本体に、道成寺縁起絵巻の、蛇に変身するところを組み合わせて作りました。
人形浄瑠璃の「日高川」に似た物語のすじになっています。

 

時代背景としては醍醐天皇の御代、熊野詣でが大変にはやっていた頃です。
熊野の古道は私も実際に歩いてみましたが、大変険しい道で昔は人家もあまり無かっただろうと思われます。
何日も前に出発した男を追いかけるには着物を着た女の足では無理だっただろうな、
やはり鬼にでもならなければ追いつけなかっただろうという気がしました。

この本は子供向けではないのですが、お能や歌舞伎を知らない人や若い人、外国の人にも、
日本に昔からある有名な物語を知ってもらいたいと思い、わかりやすい話に仕上げたつもりです。
お能や歌舞伎の「道成寺」に親しみのある方にはその元になった話を知ってほしいと思いました。
(案外知らない人は多いんですよ)

お能の道成寺に使うお面は国立能楽堂の展示室でスケッチしましたが。
こちらは日本画の「蛇の面」という絵に使いました。絵本の方は、それほど恐い絵は出てきません(笑。
どちらかというと、それほどまでに深い恨みを持つようになった女の心、悲しさに重点を置いて書いてみました。
私は大変に感情移入してしまうおななしだったのですが、みなさんはどうでしょうか?
絵本でお楽しみいただければ幸いです。
 絵と文: 浅野 陽みなみ
手彩色のものは手間がかかりすぎてどうしてもたくさん作ることができないので、普及版を作りたいとずっと思っていましたが、時代を経て印刷の絵本を作ることができました。
 
印刷ではありますが、一冊ずつ和綴じの手製本で他にはない味わいの本にできあがっていると思います。
手彩色版を知っていらっしゃる方にも新たな本として楽しんでいただけるでしょう。
 実物をご覧になりたい方は、大塚の表装、和紙ギャラリー 株)マスミTel:03-3918-5401に絵本を置いてもらっていますのでよかったらお出かけ下さい。

 ◆本のサイズ 170mm×230mm    ◆表紙 布   
◆和綴じ(カックリ返し)¥5000+送料   

豆本 ¥2000 英語版(間略製本) ¥2500  

​雨月物語から「蛇性の婬」

絵をクリックすると大きく見られます

雨月物語の中の「蛇性の婬」というお話。

「道成寺」は、女の想いが募って蛇に変身する話ですが、こちらは年を経た蛇が女に姿を変えて男に取り付く話。原文は古文ですが、 鵜月 洋 の現代語訳を下敷きにして、原文のテイストも合わせながら絵本用にあらすじにしました。けっこう長いお話です。画は12枚

 裕福な網元の次男坊の農雄は、風流を好み家業に興味をもてなかったが、ある日夕立に降られ雨宿りをした家で美しい女に会い、ぽーっとなってしまった。すっかり夢中になって家に訊ねて行き、大変に歓待されて夫婦の約束をしたが、実は化け物であったことがわかり意気消沈してしまう。
 姉の嫁ぎ先に身を寄せている所にまで追いかけて来て、また騙されそうになったりいよいよ大蛇の本性を現したりする怖い話。ついには道成寺の高僧によって救われるという結末。

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